LLDP自動設定

LLDP自動設定

1. 機能概要

LLDP自動設定は、独自のLLDPフレームを送受信し、LLDPで通知された情報をもとに自動的に設定を行ったり、ログ保存などの特定の処理を実行したりする機能です。

LLDP自動設定を使用することで自動設定および自動実行される内容は以下のとおりです。

  • Dante最適設定

    • ヤマハの遠隔会議システムADECIAの構成機器が接続されたとき、「Dante」を利用する上での最適な設定を自動的に反映させます。

  • スケジュール機能による給電停止の事前通知

    • ヤマハ無線APが接続されているポートでPoE給電の停止がスケジューリングされているとき、
      給電の停止タイミングを事前に通知し、ヤマハ無線APは給電が停止される直前にログの保存を行います。

ヤマハスイッチとヤマハ無線APのLLDP自動設定の対応機種については、 技術資料 LLDP自動設定の設定例 を参照してください。

ADECIAの構成機器については、 ADECIA製品情報 を参照してください。

2. 用語の定義

LLDP

Link Layer Discovery Protocol。
IEEE 802.1ABで規定される。

ADECIA

ヤマハの遠隔会議システム。遠隔会議用プロセッサーやマイク、スピーカーをLAN(Dante)で接続する。

ADECIAコンポーネント

ADECIAを構成する機器(遠隔会議用プロセッサー、マイク、スピーカー)。

3. 機能詳細

3.1. 基本仕様

LLDP自動設定を有効にすると独自のLLDPフレームの送受信を行います。

LLDP自動設定全体の有効/無効は、 lldp auto-setting コマンドで設定します。
本製品の初期設定では 有効 に設定されています。

LLDP自動設定で有効にする機能の選択は、 lldp auto-setting function コマンドで設定します。
本製品の初期設定では、 すべての機能を使用 に設定されています。

本機能を使用するためには、LLDPフレームを受信できるようにする必要があります。
そのため、事前に以下が設定されていることを確認してください。

  • lldp run コマンドで、システム全体のLLDP機能を有効にします。

  • lldp-agent コマンドで、対象のインターフェースにLLDPエージェントを作成します。

  • set lldp コマンドで、LLDPフレームの送受信モードを設定します。

本製品の初期設定では、LLDPフレームの送受信は 有効 です。

3.2. Dante最適設定

ADECIAコンポーネントから独自のLLDPフレームを受信することで、「Dante」を利用する上での最適な設定を自動的に反映させる機能です。
詳細については、Dante最適設定を参照してください。

3.3. スケジュール機能による給電停止の事前通知

ヤマハスイッチの特定のポートでPoE給電停止がスケジュールされているとき、給電停止の10分前からスケジュール実行までの残り時間をLLDPで定期的に通知する機能です。
LLDPで給電停止までの残り時間を通知された無線APは、給電が停止される直前にログの保存を実行することで、電源断によるログの消失を防止できます。
image

特定のポートでLLDPの送信間隔が30秒よりも大きな値に設定されているとき、以下の条件を満たすとLLDPの送信間隔が強制的に30秒に変更されます。

  • LLDPかつLLDP自動設定が有効になっている。

  • 特定のポートでPoE給電の停止がスケジューリングされている。

  • スケジュール実行までの残り時間が10分未満になっている。

なお、スケジュールが実行されるか、スケジュール設定が削除、もしくは10分以上後の時刻に設定変更された場合、LLDP送信間隔は元の設定値に戻ります。
本機能によってLLDPの送信間隔が強制的に30秒に変更されている場合、 show lldp interface コマンドで表示されるLLDP送信間隔にアスタリスク (*) が付与されます。

  • show lldp interface コマンドによるLLDP送信間隔表示例

    SWX#show lldp interface port1.2
    Agent Mode                    : Nearest bridge
    Enable (tx/rx)                : Y/Y
    Message fast transmit time    : 1
    Message transmission interval : 30*
    Reinitialization delay        : 2
    MED Enabled                   : Y
    Device Type                   : NETWORK_CONNECTIVITY
    LLDP Agent traffic statistics
      Total frames transmitted       : 0
      Total entries aged             : 0
      Total frames received          : 0
      Total frames received in error : 0
      Total frames discarded         : 0
      Total discarded TLVs           : 0
      Total unrecognised TLVs        : 0
    
    * - Assigned by LLDP.

本機能を使用する場合、以下の点に注意してください。

  • 注意点

    • 給電停止の事前通知は、特定のポートで給電停止がスケジュールされている場合にのみ通知されます。システム全体で給電の停止がスケジュールされている場合は通知されないためご注意ください。

4. 関連コマンド

関連コマンドについて、以下に示します。
詳細は、コマンドリファレンスを参照してください。

操作項目 操作コマンド

LLDP自動設定の有効化

lldp auto-setting

LLDP自動設定で有効化する機能の設定

lldp auto-setting function

LLDP機能の有効化

lldp run

LLDPエージェントの作成

lldp-agent

LLDP送受信モードの設定

set lldp

インターフェースの状態表示

show lldp interface

5. 設定例

ヤマハスイッチとヤマハ無線APのそれぞれの設定方法については以下を参照してください。

6. 注意事項

特になし。