パススルー

パススルー

1. 機能概要

パススルーは、通常のスイッチでは破棄されてしまう予約済み特殊MACアドレス宛てのフレームを破棄せずに転送する機能です。
本製品では、スパニングツリープロトコルで使用される BPDUフレーム および、IEEE 802.1X認証で使用される EAPフレーム のパススルーに対応しています。
BPDU パススルーを有効にすると、本製品を スパニングツリープロトコル を使用しているスイッチ間に設置することができます。
EAP パススルーを有効にすると、本製品を IEEE 802.1X 認証の認証スイッチと PC の間に設置することができます。

2. 用語の定義

BPDU (Bridge Protocol Data Unit)

スパニングツリープロトコルにおいて、ループ回避のために対応機器間のやりとりで使用されるメッセージ。

EAP (Extended authentication protocol)

PPPを拡張して各種の認証方式を使用できるようにした認証プロトコル。RFC3748で規定されています。
IEEE 802.1X 認証では、このプロトコルの使用をサポートしています。

3. 機能詳細

3.1. BPDUパススルー 動作仕様

BPDUパススルーの仕様を以下に示します。

  1. BPDUパススルーを有効にすることで、受け取ったBPDUフレームを破棄せずに転送することができます。
    BPDUパススルーが無効の場合、受け取ったBPDUフレームは破棄され、転送されません。

  2. BPDUフレームは タグVLAN、ポートベースVLAN、マルチプルVLANの設定に関係なく、受け取ったポート以外のすべてのポートに転送 されます。

  3. pass-through bpdu コマンドまたはWeb GUIの[詳細設定]-[パススルー]より、BPDUパススルーの有効/無効を切り替えることができます。
    初期設定では有効になっています。

  4. BPDUパススルーの設定は、システム単位(全ポート共通)の設定となります。

3.2. EAPパススルー 動作仕様

EAPパススルーの仕様を以下に示します。

  1. EAPパススルーを有効にすることで、受け取ったEAPフレームを破棄せずに転送することができます。
    EAPパススルーが無効の場合、受け取ったEAPフレームは破棄され、転送されません。

  2. EAPフレームは 通常のマルチキャストフレームと同様に、タグVLAN、ポートベースVLAN、マルチプルVLANの設定に従って転送 されます。

  3. pass-through eap コマンドまたはWeb GUIの[詳細設定]-[パススルー]より、EAPパススルーの有効/無効を切り替えることができます。
    初期設定では有効になっています。

  4. EAPパススルーの設定は、システム単位(全ポート共通)の設定となります。

4. 関連コマンド

関連コマンドについて、以下に示します。
コマンドの詳細は、コマンドリファレンスを参照してください。

操作項目 操作コマンド

BPDUパススルーの有効・無効設定

pass-through bpdu

EAPパススルーの有効・無効設定

pass-through eap

5. コマンド実行例

本製品を スパニングツリープロトコル を使用しているスイッチ間に設置するために、BPDUパススルーを有効化する。

  • BPDUパススルーを有効にします。

    Yamaha(config)#pass-through bpdu enable (1)
    1 BPDUパススルーを有効にする

本製品を IEEE 802.1X 認証の認証スイッチと PC の間に設置するために、EAPパススルーを有効化する。

  • EAPパススルーを有効にします。

    Yamaha(config)#pass-through eap enable (1)
    1 EAPパススルーを有効にする

6. 注意事項

特になし

7. 関連文書

特になし