マルチプルVLAN
マルチプルVLAN
1. 機能概要
マルチプルVLANでは、同じVLANに所属するポートを複数のグループに分けて、グループ間の通信を遮断することができます。
また、ポートを複数のグループに分けるだけでなく、ひとつのポートを複数のグループに参加させることもできます。
この機能により、図にあるような、各端末はサーバーにアクセスできるものの、端末間の通信は遮断したい、といった要望を簡単に実現できます。
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マルチプルVLANの利用例
2. 用語の定義
特になし
3. 機能詳細
3.1. 基本動作仕様
マルチプルVLANでは、VLAN内にグループを作成できます。
マルチプルVLANグループは、 switchport multiple-vlan group コマンドで設定します。
マルチプルVLANはLANインターフェース、リンクアグリゲーション論理インターフェースに設定可能です。
トランクポートにマルチプルVLANグループを設定した場合、該当ポートの所属する全VLANに対して適用されます。
マルチキャストフレーム(*1)にもマルチプルVLANグループ設定が適用されます。
最大グループ数は、製品のポート数と同じ数です。
(*1) : 以下のフレームについては、マルチプルVLANグループが異なるポートにも転送されます。
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L2MS制御フレーム
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ヤマハ無線アクセスポイントで使用する制御フレーム
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BPDUパススルー有効時のBPDUフレーム
3.2. マルチプルVLANグループ間の通信例
上図のようなマルチプルVLANグループ設定(Group #1 ~ #4) の場合、特定ポートA/B間の通信可否とその理由は以下の表のようになります。
ポート番号 A (グループ) | ポート番号 B (グループ) | 通信可否 | 理由 |
---|---|---|---|
port1.1 (Group 1) |
port1.2 (Group 2) |
不可 |
マルチプルVLANグループが違うため |
port1.1 (Group 1) |
port1.3 (Group 1) |
可 |
マルチプルVLANグループ #1 に所属 |
port1.2 (Group 2) |
port1.4 (Group 2) |
可 |
マルチプルVLANグループ #2 に所属 |
port1.5 (Group 3) |
port1.7 (Group 3,4) |
可 |
マルチプルVLANグループ #3 に所属 |
port1.6 (Group なし) |
port1.8 (Group 4) |
不可 |
マルチプルVLANグループが違うため |
port1.7 (Group 3,4) |
port1.8 (Group 4) |
可 |
マルチプルVLANグループ #4 に所属 |
※上記の例のport1.6はどのポートとも通信できませんが、他にどのグループにも属さないポートがある場合、
どのグループにも属さないポート間で通信することは可能です。
4. 関連コマンド
4.1. 関連コマンド一覧
関連コマンドについて、以下に示します。
詳細は、コマンドリファレンスを参照してください。
操作項目 | 操作コマンド |
---|---|
マルチプルVLANグループの設定 |
switchport multiple-vlan group |
5. コマンド実行例
5.1. マルチプルVLAN の設定
VLAN #1 内で、PC1-Server間、PC2-Server間の通信は許可し、PC1-PC2間の通信は遮断します。
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マルチプルVLAN設定例
マルチプルVLANグループの設定は以下とします。
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port1.1 : マルチプルVLANグループ #1 , #2 に所属
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port1.2 : マルチプルVLANグループ #1 に所属
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port1.3 : マルチプルVLANグループ #2 に所属
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port1.1をマルチプルVLANグループ #1 , #2 に所属させます。
Yamaha(config)# interface port1.1 (1) Yamaha(config-if)# switchport multiple-vlan group 1 (2) Yamaha(config-if)# switchport multiple-vlan group 2 (3) Yamaha(config-if)# exit
1 interface modeに移行 2 マルチプルVLANグループ 1 に参加する 3 マルチプルVLANグループ 2 に参加する -
port1.2をマルチプルVLANグループ #1 に所属させます。
Yamaha(config)# interface port1.2 (1) Yamaha(config-if)# switchport multiple-vlan group 1 (2) Yamaha(config-if)# exit
1 interface modeに移行 2 マルチプルVLANグループ 1 に参加する -
port1.3をマルチプルVLANグループ #2 に所属させます。
Yamaha(config)# interface port1.3 (1) Yamaha(config-if)# switchport multiple-vlan group 2 (2) Yamaha(config-if)# exit
1 interface modeに移行 2 マルチプルVLANグループ 2 に参加する
6. 注意事項
本機能の注意事項は以下のとおりです。
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リンクアグリゲーション論理インターフェースに所属させるポートのマルチプルVLANグループは同一にする必要があります。
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マルチプルVLANグループが適用されるのは、ポート間のフォワーディングのみです。自発のパケットはマルチプルVLANグループ設定の影響を受けません。
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マルチプルVLANを設定していても、以下の影響で正しく通信できないことがあります。
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ループ検出のブロック状態
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7. 関連文書
特になし