ファームウェア更新
ファームウェア更新
1. 機能概要
本製品はプログラム不具合の吸収や機能追加を行うために、以下の2つのファームウェア更新機能を提供します。
-
PCなどのリモート端末に置かれた更新ファームウェアを本製品に送付して適用する機能
-
本製品のHTTPクライアントがHTTPサーバーにアクセスし、最新のファームウェアをダウンロードして適用する機能
本更新機能を利用して、バージョンアップ、及び、バージョンダウンを行うことができます。
新部品対応により、Rev.1.03.13以降のファームウェアからRev.1.03.12以前のファームウェアへのバージョンダウンはできないため、ご注意ください。
更新ファームウェアの書き込みが正常に完了すると、 新しいファームウェアを有効にするため、システムを自動で再起動 します。
2. 用語の定義
特になし
3. 機能詳細
3.1. 更新ファームウェア送付による更新
PCなどのリモート端末に置かれたファームウェアを本製品に送付し、起動ファームウェアとして適用させます。
本更新は、 TFTPクライアント または Web GUI を使用して行います。
3.1.1. TFTPクライアントを使用したファームウェア更新
PCなどのリモート端末にインストールされた TFTPクライアント を使用して、本製品に更新ファームウェアを送付し、更新することができます。
本製品のTFTPサーバーを機能させるために、以下の手順でリモートアクセス可能なネットワーク環境を整備してください。
-
任意のVLANにIPv4/IPv6アドレスを設定します。
-
TFTPサーバーを有効にします。設定には、 tftp-server enable コマンドを使用します。
-
tftp-server access コマンドを使用し、必要に応じてTFTPサーバーにアクセス可能なホストを設定します。
TFTPクライアントを使用して更新ファームウェアを送信する際は、以下のルールに従ってください。
-
転送モードには、 バイナリモード を指定してください。
-
更新ファームウェアの送信先のリモートパスは下表を参照し指定してください。
-
本製品に管理パスワードが設定されている場合、リモートパスの後ろに"/PASSWORD"という形式で管理パスワードを指定してください。
TFTPクライアントを使用するファームウェア更新では、以下の2種類の更新が行えます。
-
更新ファームウェア
種類 リモートパス 本体ファームウェア
exec
ブートローダー
boot
送付した更新ファームウェアに問題がなければ、更新ファームウェアの書き込みを行います。
3.1.2. Web GUI ローカルファイル指定によるファームウェア更新
Web GUIアクセス中の端末に置かれた更新ファームウェアを指定して、本製品に適用させます。
本機能では、新旧バージョンの確認は行わず、指定ファイルを強制的に書き換えます。
ローカルファイル指定によるファームウェアの更新は、Web GUI の [保守] - [ファームウェアの更新] のPCからファームウェアを更新 から行います。(下図の赤枠参照)
具体的な操作方法は、GUI内のヘルプを参照ください。
-
Web GUI PCからファームウェアを更新 初期画面
3.2. HTTPクライアントを使用した更新
HTTPクライアントを使用したファームウェア更新は、指定したURLから更新ファームウェアを取得し、本製品に適用します。
本機能はバージョンアップが前提で、リビジョンダウンの許可が設定されている場合に限り、現バージョン以前のものを書き込むことができます。
同バージョンのファームウェアは書き込むことができません。
HTTPクライアントを使用したファームウェア更新は、以下の方法で実行することができます。
-
CLI (Command-line interface) から firmware-update コマンドを使用する
-
Web GUI の ネットワーク経由でファームウェアを更新 を実行する
HTTPクライアントを使用したファームウェア更新は、下表の設定値に従って、動作します。
設定パラメータ | 説 明 |
---|---|
ダウンロード先のURL |
ファームウェアのダウンロード先URLを設定します。URLは最大255文字まで設定することができます。 |
HTTPプロキシーサーバー |
ファームウェア更新で使用するプロキシーサーバーを設定します。 |
HTTPSプロキシーサーバー |
|
リビジョンダウンの許可 |
ファーム更新動作において、現在のバージョンより小さいバージョンの書き込みを許可するかどうかを設定します。 |
タイムアウト |
以下の処理を行う際の処理完了を監視するためのタイマーを指定します。 |
firmware-update コマンドの使用方法は、 "コマンド実行例" または "コマンドリファレンス" を参照してください。
Web GUI の ネットワーク経由でファームウェアを更新 は、Web GUI の [保守] - [ファームウェアの更新] から実行します。(下図の赤枠参照)
具体的な操作方法は、GUI内のヘルプを参照してください。
-
Web GUI ネットワーク経由でファームウェアを更新 初期画面
3.3. 書き込み後の再起動
更新ファームウェアの書き込みが正常に完了すると、即時再起動が開始されます。
4. 関連コマンド
関連コマンドについて、以下に示します。
詳細は、コマンドリファレンスを参照してください。
操作項目 | 操作コマンド |
---|---|
ファームウェア更新サイトの設定 |
firmware-update url |
ファームウェア更新で使用するHTTPプロキシーサーバーの設定 |
firmware-update http-proxy |
ファームウェア更新で使用するHTTPSプロキシーサーバーの設定 |
firmware-update https-proxy |
ファームウェア更新の実行 |
firmware-update execute |
ファームウェアダウンロードタイムアウト時間の設定 |
firmware-update timeout |
リビジョンダウンの許可 |
firmware-update revision-down |
ファームウェア更新機能設定の表示 |
show firmware-update |
5. コマンド実行例
5.1. HTTPクライアントを使用した更新
ローカルのHTTPサーバーに更新ファームウェアを置き、本製品のファームウェアを管理するようにして、ファームウェア更新を行います。
-
ダウンロードのURLを http://192.168.100.1/swx2210p-10g.bin に変更します。
-
リビジョンダウンは、 無効 のままとします。
-
タイムアウト値は、 300秒 のままとします。
-
ダウンロードURLを変更し、ファームウェア更新の設定を確認します。
Yamaha(config)#firmware-update url http://192.168.100.1/swx2210p-10g.bin (1) Yamaha(config)#exit Yamaha#show firmware-update (2) url:http://192.168.100.1/swx2210p-10g.bin timeout:300 (seconds) revision-down:disable
1 ダウンロード先URLの設定 2 ファームウェア更新機能設定の表示 -
ファームウェア更新を実行します。
Yamaha#firmware-update execute (1) Found the new revision firmware Current Revision: Rev.1.03.01 New Revision: Rev.1.03.02 Update to this firmware? (Y/N)y (2) Download... %% Completed the firmware download %% Updating... (3)
1 ファームウェア更新の実行 2 yを入力 3 自動でリブートします -
更新ファームウェアのダウンロード中に、 "CTRL+C" で中断することができます。
Yamaha#firmware-update execute Found the new revision firmware Current Revision: Rev.1.03.01 New Revision: Rev.1.03.02 Update to this firmware? (Y/N)y Download... (1) %% Canceled the firmware download
1 Ctrl-C を入力
-
6. 注意事項
新部品対応により、Rev.1.03.13以降のファームウェアからRev.1.03.12以前のファームウェアへのバージョンダウンはできません。